なるほどと思う地名(その1)

​六甲山

六甲山の名前の由来には諸説あります。その一つに、古代日本の中心地であった大和を出て難波から船を出す時、遥か対岸の山河を望んで「向こう」と言ったことが始まりとする説があります。向こうの山が六甲山で、向こうの川が武庫川と言われるとなるほどと思います。

その六甲山ですが、明治初期には樹木の伐採・乱獲や山火事で花崗岩の山肌が剝き出しになって風化が進み、見た目だけでなく大雨時に災害の危険が高まっていました。実際、六甲山系では豪雨災害が多発しており、明治期には記録に残る大規模なものだけでも9度の災害に見舞われています。

明治32年には県による砂防工事がスタートし、昭和13年の阪神大水害を機に国直轄の砂防事業へと引き継がれています。昭和16年には、大雨によって流れ出る土砂を一時的にためる「砂防堰堤」の第1号が完成し、これまでに500基以上が設置され、土石流等による被害の軽減に寄与しています。

そして、平成7年の阪神・淡路大震災を契機に六甲山地を一連の樹林帯として、森を守り育て、自然のもつ力を利用しながら安全な山をつくりあげていく取り組みが進められています。

古代の人たちが遥かに眺めた向こうの山も幾多の変遷を経て、地域の人たちの参加・協働によってその自然と安全が守られているのですね。