なるほどと思うまちづくり(その2)

​雪形

今冬も各地で記録的大雪といったニュースが報道されています。大雪による災害は後を絶たず、防災白書のデータ(1993-2020年)によれば、雪害による死者・行方不明者の数が自然災害全体の3割を超える年が過半を占めており、自然と向き合うことの厳しさを感じます。

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一方で、雪は四季の国である日本において、貴重な文化を育む存在でもあります。山肌に残った雪の形に意味を見いだし、日々の暮らしに活かしてきたのです。雪形には残雪部分の形を表す「ポジ型」と雪が解けて現れた山肌の形を表す「ネガ型」とがあります。

農事暦として、雪と山肌の作り出す形を「種まき」「代掻き」をしている人物や馬、牛、鳥など身近な動植物、さらには道具等に見立てて、「種まき爺さんが出たから種を蒔こう」、「代掻き馬が出たから代掻きをしよう」、「錠前の鍵が出たから山菜が採れる」など、農作業を行う時期の目安として活用してきたようです。また、暦としてだけでなく、天候や災害の予測、農作物の豊凶を占うなど、自然と共存するうえでのリスク管理にも役立てられたようです。

民族学の研究をされている方から、初めて「雪形」のお話をお聞きした時、雪国の自然と対峙し、共存していく知恵から文化が根付いていくのだと実感しました。

最近では、気象予報の発達によりその役割が薄れていますが、雪形を題材としたフォトコンテストが開催されるなど、新しい時代の観光資源の一つになっているところもあるようです。日本は四季の国と言われますが、桜などの開花以外に自然の中から春を感じることは意外と少ないのではないでしょうか。雪形が新しい形で地域の文化・観光まちづくりに役割を果たして欲しいと思います。