なるほどと思うまちづくり(その1)

​神戸の地形と下水道

六甲山系と大阪湾に挟まれた神戸市の中心部は、山から長い年月の間に河川によって運ばれてきた土砂や石によって形成されたなだらかな傾斜を有する扇状地と海岸部の低平地に位置しています。

そして、神戸の下水道整備は、その地形的特性を活かして整備が進められました。神戸市の下水道整備は昭和26年から本格的に始まりました。当時、東京や大阪など他の大都市では市街地に滞留する雨水の排除が喫緊の課題であったことから、汚水と雨水を同一の管で集める合流式下水道として整備されていましたが、神戸市では先述したよう海に向かって傾斜する地形に沿って発達した水路を活用することで、汚水のみを収集する分流式下水道が採用されました。

また、その後の雨水整備においても、海岸付近の低地はポンプ排水、標高の高いエリアの雨水は高低差を利用して低地部を通過し、そのまま海まで排水するという二段排水方式が採用されています。

その時代の標準ではなく独自の手法を採用できたのは、地形や土地利用など様々な情報を集約して大局的に判断する力に加え、高度な技術力があったからだと思います。そして、分流式下水道を採用したことで、雨天時に大阪湾に流入する汚濁負荷の削減も図られるなど、環境にも優しい下水道となっています。

最後にもう一つ、わが国で最も古い近代下水道の一つが神戸に現存していることをご存じでしょうか。19世紀後半に外国人居留地の都市計画の一環としてレンガ造りの円形や卵形の下水渠が建設されました。この下水道は、登録有形文化財や土木遺産となっていますが、その一部は雨水排水管として現在も利用されています。現地で実物を見ることもできますので、開港時の景色を想像してみてはいかがでしょうか。

居留地の下水道(写真).jpg